勝手語り
⇒セイロンVSシンゲン
シンゲンは思惑がありつつといったかんじですが、セイロンの方は単純に喧嘩を買ったのだと思います。
実際は何年生きてるのか謎ですが、龍人としてはまだまだ血気盛んな年頃なのではないでしょうか。
説明役だし、何かと状況判断したり分析したりと冷静沈着に見せつつ、実はけっこう激しやすい性格なのではないかと。
アロエリをわざと厳しく一喝する場面が印象深く、うっかり隠れてしまいがちですが、特にクラウレに対しての腹の立て方を見ているとそう感じます。
(アロエリ小娘発言なあの萌えシーンは、年齢というよりも立場というか、そこは未来の長の器発揮なのではないかと)
(上に立つ者としての接し方な気がします)
ラウスブルグの秘密を話せないってシーンも、あれはもう逆ギレと言ってもいい。
俺だってめちゃくちゃ言いてーよ! でも責任取れないから言えねーんだよ! そのくらいわかれよ俺が泣きてーよ!
という、苦悩するセイロンに萌えるためのイベントではないかと。
(ところで後に竜の子の決意を誉め讃える若ですが、そこって竜の子は自分で責任を取れるから決断できるだけで、船に関しては何の権限もない無関係な若が決断できないのは当たり前だと思う)
(いや、もしかしたらその決断ができるだけの力を持っていることを褒めてたのかもしれないけど。……若にとっての至竜は将軍家だからなあ)
(そして疑問がまたひとつ。ラウスブルグを破壊するという選択肢はないのだろうか。バルスではいかんのですかバルスでは)
(というか、あれだけの設備に自爆機能がないなんてそんなハズはっ!)
で、(ステルスモードで真ん中に割り込んだ(ように見える))先生の言葉に動揺している場面。
シンゲンの方は先生をたてて引き退がるけど、内心は納得も動揺も特にしていない様子。
ところが一方のセイロンは、あからさまに説教された若者みたいな態度です。
先生も俺モードだとなかなか青臭さを感じさせてくれるのですが、ここでは教師と生徒の風格。
復讐は哀しみしか生まない的な話をされて、ここから竜の子を渡す→渡さないルートへ進むと、もしかして謎だった「迷いが消えたよ」発言に繋がったりするのでしょうか。
⇒渡さないルート
実はかなり突っ込みたいルートです。
一周目、若がどうこうの前にカルマが溜まる気がして、カルマルート恐怖から選んだ選択肢。
(竜の子を渡したら最後ラウスブルグが発進してインドラの矢が降り注ぎ人類が滅亡、あるいは四界大戦争勃発で四界荒廃かと思ってた)
我ら御使いも協力しよう、みたいなことを言うじゃないですか。
協力も何もお前達の敵だろう、と思うのですが。
だってあんなに仇討ちしたがってたじゃない。
黒い雪とか関係なくどのみちボコる予定だったんだから、ちょっと早まっただけじゃない。
しかも変な風に深読みすると、なんとなくギアン君をボコったところで、ボコられて皆の命を助けてくれるギアン君ではない、ということをわかっていそうな気がする。
いや、そういう予想ができちゃうだけの器量だよね、というか。
それはそれで萌えなのですよ。
憎まれることを承知で、敢えて本心とは異なる冷酷な選択をしちゃっている頑なで義理堅すぎる馬鹿な男なところが魅力なわけで。
協力するとか犠牲を出したくないとか、いらないセリフかなーと思うわけです。
⇒渡す→渡さないルート
もっとも謎なルートです。
一体若様のどんな迷いが消えたというのか、さっぱりわからない難解なルート。
たぶん先生の説教シーンからの流れで考えるに、御使いの使命仇討ちという義理と、仲間や町の人の命という人情の板挟みになって迷っていたけど、店主殿の決断によって自分も心が決まった。
店主殿に協力しよう、人情を取ることにしましたよ、ということなのではないかと。
だけど、その肝心の店主殿の決断が渡さないことだもんだから、渡さないということはつまり先代の望み通りというわけで、目に見える結果としては御使いのままなセイロン。
義理を選んだように見えるので、いまいち決意が伝わりにくい。
というか、謎。
二人して青春真っ盛りセリフ炸裂なのがなんともムズムズしちゃって、正直ギアンが気の毒になったりもするルート。
ライだと若造二人して開き直っているようにも見える。
シナリオ的にはこれがメインルートなのかな?
⇒渡す→渡すルート
セイロンが殉職する気満々なルート。
時代劇ですね。
切腹という運命がわかっていても、家族を捨ててでも、ひたすらに殿の仇討ちをするわけです。
未来の龍人族の長として、こんなことで死んでもいいのかと思ってしまいますが、きっとここはむしろ未来の龍人族の長だからこそ、死なねばならないんじゃないでしょうか。
シンゲンは現代寄りな思考といいますか、死んだら咲かないと歌ってますが、これなかなかいい鬼妖界キャラ同士の対比で、セイロンにとっては大輪の死に花が咲くといいますか、無駄死にではないのでしょう。
万が一の幸運で仇を討てたり竜の子を逃がしたりできるかもしれないとはいえ、あくまでも万が一。
それでも最期まで役目を貫いてこそ、なのだと思います。
当然仲間や町の人間の命は犠牲にする方針なわけですが、心を痛めつつも息絶えるまで全身全霊で竜の子を守り通して、闘えるだけ闘って死ぬのが龍人族の誇りなのではないかと。
人間なんか滅ぼしてやるとか言っていた気がして(その場合は竜の子を守る=4界平和なので、黒い雪どころじゃなく渡したら人類滅亡だから多少の犠牲はやむを得ない状態)どうもここは曖昧なんですが、もしギアン君が自分の個人的復讐のためだけにラウスブルグを使用するつもりだったのなら、セイロンの死は全くの無意味。
そればかりか多数の犠牲者を出すという、非常に頑なで不器用で一本気で律義すぎる馬鹿な男です。
でも、そんな彼がまた胸キュンなわけですが。
本当はかなり情が厚くとっても身内思いな質だからこそ、そんな彼が非情に撤しなければいけないという、この相反してしまう苦悩具合が可哀相でロマンで胸キュンなわけです。
時代劇好きなもので。(違う?)
若は中華なのでクンフーなキャラとしての行動なわけですが。
ただし、自分が主人公に殺されることで丸く収まるならそれでもいいや、と思っているフシはありますよね。
斬り掛かって来たら、もうお約束のアレですよ。
「なんで……なんで避けなかったの!?」
「……これでよいのだよ」
すまない、フェア。 セイローン!!! 完。
閑話休題。
「フェア……、どうして」は、ものすごい威力です。
(うっかりライバージョンと比較検証までしてしまったところ、ライだと愕然、フェアだと呆然、という印象でした。ものすごく微妙な差なのですが、この差がライだと熱血少年マンガの親友同士、フェアだと運命に翻弄される恋人同士のように聞こえてしまう。と、この表現は主観なのでアレですが、とにかく違うのですよ)
あの部分はカップリング解釈しちゃうと、みんなの命よりも一人の男の命を選んでしまった、なんて受け取れたりします。
そして、わたしのせいでみんなが死んじゃうなんてイヤだよぅ、と繋がると、セイロンとしてはもうこの先どう償えばいいのかという最悪な状況ですが。
そんなカルマルートなら、私は萌えに萌えてしまう。
結果としては奇跡を起こしてオールグリーンなんだけど、ここのフォローは少し欲しかったかな。
どのルートを選んでも、この後少しも変わらないのがちょっと残念。
特にこのルートの場合は一次的に敵対して殺すの殺さないのまで行ったわけだし、せめて夜会話でひとことだけでも何か変化が欲しかった。セイロン側に。
真面目で誠実な彼のキャラクターからすると、かなりなリアクションがあってもいいところだと思うのですよ。
なんとなく奇跡でうやむやになっちゃった印象。
ところで、ここで本心は違うとはいえ切り捨てようとした[そなたら]と暮らすことにしたというエンディングへの繋がりは、なんだか温かくて優しくてもの悲しいですね。
ライの方だと余計にそう感じます。
セイロンENDでは主人公は長命設定(人間キャラENDだと人間寿命っぽい。というかそうであって欲しい)のようですが、ライが言っているようにリシェルやルシアンは違うわけで、せっかく出逢えたかけがえのない仲間とあまり永くは過ごせないんだなーと。
若フェア的には、そのフェアと故郷との別れの切なさがまた盛り上げてくれるんですけどね。
個人的な若フェア的解釈→ 今暫らくの間は、そなたら(フェア以外の人間の仲間)と共に暮らそう。 →龍姫様が見つかるまでにゲットフェア。
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