スカイ・クロラ
⇒感想覚え書き
・暗い鬱映画と聞いていたので、思ってたよりずっとハッピーエンドじゃん!
てのが最初の感想。ちなみに原作は読んでない。
・押井、理解力を求めすぎだと思った。
伏線とか演出とか原作設定とか、そういうのじゃなくて、主題の在り処が。
脱出に成功するカタストロフィや根源の悪を裁ち切る勝利を期待したら不発で終わって
結局何も変わらない絶望の繰り返し、みたいな受け取り方が大多数じゃないだろうか。
主人公の存在や世界の謎が大きすぎて、そっちを追い掛けるだけで疲れるし、
キルドレ設定が変すぎて現実まで引っ張ってきてからシンクロするの難しいと思う。
・私だけみんなと違って邪鬼眼持ってたらって思ったけどそんなことはなくて私もみんなと同じただの人間の子供で毎日同じことの繰り返しで出口はなくてどこから来てどこへ行くのかもわからなくて(このへん押井節)自分が何者なのかもわからない
→中二病はいい加減にして、現実の平凡な繰り返しの日常の中にある些細な幸せを大切にしたらいいと思うよ
こんな風に観た。
・若者へのメッセージ、ではなく、若押井さんと同じようなジャンルの若者へのメッセージだな。
これってたぶん、大人で観ていまいち分からない人は、大人じゃない時代に観ても分からないよね。
まあ、分からないということはメッセージが届く必要もないってことだから、いいんだろうけど。
でもやっぱり、分かり難いと思うんです、これ。
・押井監督は初めから負けてる戦争とか、勝利することのない戦争とか、本当に好きだというか、
それしかないというかな人だとつくづく思いました。
個人的に広く浅い引き出しがたくさんあるより、こういう狭くて底の見えない引き出しがひとつだけある方が好みです。
・どんな映画か三行でって言われたら、
中二病こじらせた高校生のカップルが
学校の屋上から飛び降りようとしたけどやめて
ちょっと前向きに三学期を始めた映画
って答える。